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こだわり

《お針屋和ねり独自のこべべ進化》

 

 

こべべの製作をし始めた頃(平成21年)は、一般的にミニチュア着物と言われる平面に掛けてあるものを主に手がけていました。お針屋和ねりでの商品名「掛こべべ」(kakekobebe:画像 A)

 

個展を開くうちに毎回テーマを決めて製作するようになり、初めて考えたテーマが、浮世絵の美人画をイメージし製作した「浮世こべべ」(ukiyokobebe:画像 B)でした。

 

浮世絵の中に描かれる美人画は女性のしなやかな美しさがあり、それをどう表現するかが課題でした。

 従来の掛こべべでは、そのしなやかな表現を出すのが難しく、様々なアイデアを考えた末、帯や襦袢も作って実際に着付けをしてみてはどうかと製作したのが 立体の 浮世こべべでした。

 

当初(平成25年)の浮世こべべは、膨らみもなく骨組みとなる衣桁にそのまま着付けていたため薄っぺらく、少し魅力に欠けていました。そこから更に試行錯誤を繰り返し、改良に改良を重ねるうちにやはり人の膨らみが着物を一番美しく魅せるんだなと改めて感じさせられ、人の膨らみに近い、現在の 立体こべべ へと進化しました。(画像 C:「粋coolこべべ」)

 

この立体に着付けたこべべは他では見たことがない、お針屋和ねり独自製作 によるものです。これからもお針屋和ねりは、美しいこべべを追求し進化し続けていきます。

 

A.《掛こべべ

B.《初期製作 (平成25年) の浮世こべべ


C.《現在の立体こべべ 「粋coolこべべ」



《こべべ製作のこだわり》

其の一「顔」

 

「 顔はないの? つけないの?」 というご質問を受けることがあります。

 答:「 ないです。つけないです。」

 

なぜなら、こべべは人形ではなく、古布着物の素材の良さ、現代の着物にはない古布着物ならではの柄を良さを最大限に引き出し、本物の素材、本物の技術を観て楽しんでいただくためだからです。

 

そして、お顔がないことで見る人それぞれが「このこべべはこんなお顔かな?」「こっちのこべべは まだあどけない可愛らしい女の子の様」と顔のイメージを描けるのもまた一つの魅力です。

 

 

 

 

其の二「大きさ」

 

「 大きさはもっと小さいのも作れるんですか?」というご質問もいただきます。

 答:「 柄により作れなくはないですが、魅力が欠けてしまいます。」

 

こべべは普通の着物と同様に襦袢から揃え同じように着付けをしているため、小さいと着膨れて魅力が欠けてしまったり、元々の着物の柄の大きさによっては小さなサイズのこべべにしてしまうと変な位置で柄を切ってしまうという残念な結果にもなります。逆に大きすぎると存在感がありすぎて飾る場所にも困ります。

なので古布の柄や魅力を最大限に生かしつつ、程よい存在感と重厚感を出せる、高さ60cmというサイズがベストなのです。

 

 

 

 


其の三「実際の着物と同様に襦袢から」

 

こべべは実際の着物の仕立てと同様に襦袢から丁寧に縫い上げており、着付けも同様の手順で行っております。例えば、粋coolこべべは比翼仕立て(※1)の長着 で、舞子こべべは中着・長着の二枚重ねに仕立て着付けをしています。

 

※1〔比翼仕立てとは〕着物の裾・袖口・振り・衿などに中着の布を重ねて縫い付け、二枚重ねを着ているように見せる仕立て方です。留袖などに多く用いられます。



其の四「丁寧な仕事」

 

元々は人が着るサイズの着物で絵付けや柄付けがされているため、大きな柄や小さな柄、絵羽模様のものなど様々な配色や柄付けがあります。それをただただ切り取って小さく仕立てれば良い、というわけではありません。


 

 

 

 

 

 

 

粋coolこべべ「初梅」

 

この着物は、元々絵羽織でした。白い梅の枝をお袖から裾にかけて柄をおき、黒地部分のバランスも考え肩裾模様に仕立てています。

 

 

 

 

 

 

粋coolこべべ ~涼み~

「花合わせ」

 

前身頃と衽の縫い目部分の柄合わせにまでこだわり丁寧に仕上げます。

こべべは古布を扱っているため、生地がきれいな状態のものばかりではありません。

使える部分を見極め、柄を選び、こべべサイズ(高さ60cm)にした時の全体のバランスを考え柄の出す位置を決めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞子こべべ「霞み(かすみ)」

 

前身頃と衽の柄が元々つながりがないものでも、合う位置を見つけ出し流れのある柄へと見せるのもプロの技です。

 

 


其の五「すべて正絹」

 

古布着物を買い付ける際には、ポリエステルや化繊の着物も多くある中で、長年着物に携わってきた経験と感覚を頼りに生地を見極め、こべべに仕立てた時のイメージを膨らませながら正絹の古布着物を探し出します。

 

 

 

 

其の六「妥協のないコーディネイト」

 

こべべに仕立てた長着に帯や帯締めなどの小物を無数にもある中から選び出し、「これだ!」と合うものを見つけ出した時がいつも胸が高ぶり楽しい瞬間でもあります。

時には、なかなかバチッと合うコーディネイトができない時もあります。そこで妥協して出来上がった作品(こべべ)を知人にお披露目した時、「なんか、迷いがあるでしょ?」と言われたことがあります。やはり自分が納得してないものは他の人の目から見ても分かってしまうものなんだなと、改めて感じ、それ以来 納得いくコーディネイトができない場合は、合う生地(帯や小物)が現れるまで待つことにしました。すると面白いことに、ふとした瞬間に現れてくれるものなんですねぇ。

 

 

 

 



《古布の魅力》


  

長い歴史の中で受け継がれてきた着物。

日本の数多くの職人達が磨き上げた技術と伝統で作り上げられる着物は

世界に誇れる素晴らしいものです。

 

現在の着物にも伝統を生かした美しいものは沢山ありますが、

着物文化が盛んな頃の柄や配色、色彩、装飾は現代の着物とはまた違った

心惹かれるものが多くあります。

 

そして手で触れてみると良くわかるのが絹の手触りの良さ。

昔のものはとてもなめらかな手触りで肌馴染みが良く

まるで赤ちゃんの素肌のようです。

 

 

 こべべを通じて古き良き時代の着物を、目で見て、触れていただき、古布の魅力を

もっと多くの方に伝えていけたらと思っています。

 

 

 

これは七五三の着物だったもので、大正始め頃のものです。

赤、緑、黄、青、ピンクといった実に色鮮やかな配色でありながら

絶妙な色彩バランスで繊細な文様が描かれており、

その綺麗さに目を奪われます。